1991年6月29日（土）劇場公開作品。《ふしぎの海のナディア 劇場版》は、1991年6月29日（土）に東宝系にて劇場公開された作品である。これは、1990年4月13日から1991年4月12日までフジテレビで放送されたTVアニメ「ふしぎの海のナディア」の劇場版として制作された作品で、TV版最終回から3年後のストーリーが描かれている。TV版から続投するのは、ナディアとジャン、グランディス、サンソン、そしてハンソンの5人だけであり、マリーやキング、エアトン、エレクトラを始めとするノーチラス号乗組員は、ナディアの回想シーン以外では登場しない。エレクトラとネモ船長の子供も登場せず、明かされなかった謎を残したまま観客の想像力に託された。この劇場版は、当初はガイナックスが制作する予定だったが、監督の庵野秀明はテレビ版での制作疲れから担当を辞退し、プロットやキャラクターデザインのみを手掛けた。その後、残りの制作を担当したのはグループ・タックというアニメ制作集団である。ガイナックスが担当した部分は、プロットとキャラクターデザインの他に、劇中のテレビ版のダイジェスト編集のみであり、作画や演出などはグループ・タックが行った。この劇場版は、ナディアとジャンが旅をしている最中に出会った少女フットチが主人公となっている。彼女の持つ秘密と、彼女が囚われているところをナディアたちが救い出すというストーリーが展開される。また、ジャンの元恋人であるベティや、様々な悪役たちが登場し、壮大な冒険が繰り広げられる。この劇場版は、TV版と同様にスペインの文化や歴史を取り入れた世界観が特徴的であり、美しいスペインの街並みや建築物が描かれている。また、ナディアやジャンの成長や愛情が描かれるなど、TV版のファンにとっても満足できる内容となっている。劇場版では、TV版でのメインテーマである「ブルー・ウォーター」が劇場版オリジナルバージョンとして使用され、劇中の歌としても登場する。また、劇場版オリジナルの楽曲やサウンドトラックも使用されている。「ふしぎの海のナディア 劇場版」は、TV版のファンにとっても楽しめる内容であり、TV版を知らない人でも十分楽しめる作品として評価されている。現在でも、TV版とともに多くのファンに愛され続ける作品である。